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ドイツクルマ事情

読者からの投稿コーナー、今回はドイツ在住のワタシの友人たっち氏による、ドイツのクルマ事情についてです。ワタシからの質問2つの回答と、それ以外は彼が自由に書いてくれました。


質問1

Q
最近はゴルフクラスがどんどんでかくなっています。特に車幅が。
ゴルフは1760mmで、BMWの3なんか1800mm以上あります。

日本では狭い道や小さい駐車場が多いので、いわゆる5ナンバー(1700mm以下)が使いやすく、それ以上だと使いにくくなる、というのがあります。
ドイツでは車幅の拡大はあまり気にならないですか?

あと、フランスやイタリアは小道が多い、ということも聞きますが、最近の車幅拡大はそうした国でも受け入れられているんでしょうか?

A
ドイツの道路の舗装や標識などインフラはずば抜けている(税金ばか高いから当たり前か)。たとえば、1日一体何台の車が走るのか、と思える田舎の道でもすばらしい舗装でらくらく時速100キロで走れる。

だから少々車幅の大きい車でも問題ない。
私のようなBMW 5erクラスになると、さすがにハイデルベルク街中の狭い駐車場に止めるのは難だが、ゴルフだとまったく問題ないだろう。BMW 3erなんてドイツの街中走るには理想的。

逆にゴルフクラスでもアウトバーンを時速150キロぐらいで飛ばしているので、安定性から車幅が広がっているのでは?

フランスや特にイタリアの町は小道が多く、あんなところでメルセデスみたいな巨大な車に乗る意味はあまりない。

3月末パリに出張したけど、私なら絶対出られないぐらいの車間で通り沿いに鈴なりに駐車している。もちろんバンパーはどの車も擦り切れている。凱旋門を囲む直径200mのロータリーでも(7車線ぐらいある)、車線もないのに、混乱もなく星状に広がるあちこちの通りから車が行き来している。芸術ともいえるその技にしばし見とれたほど。

でも大きい車は一度でさっとロータリーを出ることができず、結構ぐるぐる回ってましたね…。もし私が運転していたら1度でさっと出たり入ったりできるか自信ない。

昨年11月に訪れたトリノでは、朝のラッシュはまさにイタリア的カオス。各交差点で怒号が飛び交う。隙あらば車の頭を突っ込む精神はF1並。もちろん小さいフィアットやルノーなどの車の方が小回りが利いて有利だろう。タクシーに乗っていて恐怖を感じるのはこの国だけだな。

質問2

Q:そちらではマツダ車の評判はどうですか?
また、どんなクルマをよく見ますか?

A:私がよく目にするマツダの車といえば、ロードスターかRX-8。
でもマツダのコマーシャルはテレビでよくやっています。
少なくとも日産よりはずっとポピュラーな気がします。


クルマ事情・前書き

「世界のクルマ事情」というほどたいそうなもんでないけど。
私の個人体験でよければもちろん自由に使って下さい。

いくつかの体験を下に。

クルマ事情・その1

こっちでは漢字が結構はやっています。
Tシャツはいうまでもなく、ベッドのシーツや、和風の電気スタンド、食卓の飾りなど、たぶん意味もわからないだろうに漢字がデザインの一部と化しています(でも日本人から見ればちょっと趣味悪い)。

先日は「狂気」と書かれたピンク色の車を見かけました。
運転している女性は意味を知っているんですかね?

「危険、近寄るなっ!」というメッセージのつもりなんですかね…。
もっともピンク色のクルマに近寄りたいとは思わないけど。

クルマ事情・その2

先週末は105キロ離れた山中にあるユースホステルでのオーケストラの合宿に参加してきました。アウトバーンでなく、国道、州道を飛ばしたわけですが、やはり1時間半かかりました。

私の愛車のBMW 5erはアウトバーンでこそ時速170キロの高速でもぶれませんが、こういうカーブの多い道でBMWの3erに後ろにつかれると、振り切ることはまず不可能です。3erの1速、2速での立ち上がりにはとても敵いません。

たっち氏の愛車 BMW 5er
たっち氏の愛車 BMW 5er

クルマ事情・その3

日本の高速道路は交通量が圧倒的に多いので分けられていると思いますが、アウトバーンでは出口で本線から出て行く区間と一般道から本線に合流してくる区間が一部重なっている場合が多いです(イメージとしてはF1のピットレーンみたい)。距離にして数百メートルでしょうか。

普段はあまり問題ないですが、やはりラッシュになると時速100キロぐらいから減速して出て行く車と、時速60キロぐらいからガンガン加速して合流しようとするクルマが入り乱れ、これが夜間にでもなろうものなら、かなりスリリングです。

こういうところで加速性能の悪い車に乗ると恐怖でしょう…。

クルマ事情・その4

一般道の十字路やT字路で信号や停止線のないところでは右側優先です。
本来なら左右両方確認して右折左折するところが、だいたい右側さえ注意していれば何も問題ないです。

そういう意味で、みんなマナーをちゃんと守りますね。

その代わり、右側優先を無視しようものなら烈火のごとく怒られます。
私も来たばかりのころ1,2回やられました。

クルマ事情・その5

日本の高速道路では前の車に道を譲れという場合、パッシングすることが多いのでは? 少なくとも私の父は「どけどけ」といわんばかりよくやっていました。

でもドイツではウィンカーが多いですね。以前小雨の中アウトバーンの追い越し車線を150キロぐらいで走っていたとき、いつの間にかシルバーのメルセデスS600が追いついてきて、「チック、チック」と左側のウィンカーを静かに出していたのには無言の威圧感を受けました。しかもクルマ自体も大きいから、真後ろにつかれると恐ろしい。

普段なら負けじとばかりアクセル踏んで加速するところを、こんときばかりはあわてて道を譲りました。

クルマ事情・その6

私が覚えている限り日本では白でペイントされたクルマが多いと思いますが、こっちではほとんど見かけません。多いのは
メルセデス=シルバー(圧倒的に多い)、黒
BMW=黒、濃紺
(でも新しい5erや6erはカタログに載っている写真が影響してかシルバーグレーをよく見かけます。でもメルセデスのシルバーと違ってもっとグレーがかった色)
アウディ、VW=黒、濃紺、シルバーグレー

VWのニュービートルは赤や黄などの楽しい色をみかけますね。

ちなみにドイツのタクシーはみんな薄いベージュ色。
法律で決まっているでしょうか。

クルマ事情・その7

7er以降のBMWの新しい車に標準装備されていると思われる「iドライブ」。もちろん私の5erにもついてます。

実はこのクルマを注文したとき、メルセデスのEクラス、アウディのA6の中からどれにするか迷いました。

でもこの「iドライブ」のおかげで、オーディオやエアコンなどを操作するセントラルパネルまわりの部分がとってもすっきり、シンプルになったのに好印象を受けて5erに決めたのですが、いざ使ってみるとこの「iドライブ」は実に使いにくい。

使い方も知らずに前や後ろとこのマウスのような巨大なコントローラを操作して、大きい表示パネルをみながら運転するのはちょっと危険でしょう。ちゃんとクルマを止めて、あれこれ試してみるべきですね。

私の場合、夏タイヤに換えて、ちゃんと空気圧をはかったにもかかわらず、突然「パンク」と表示されびっくりしたことがあります。すぐクルマを停めてタイヤを調べましたが、どこも異常なく、次のガソリンスタンドまでゆっくり走り、今一度空気圧をチェックしました。

さて、困ったのはその後。「パンク」の警告表示が消えないんですね。このコントローラを前後左右にあれこれ試みましたが、わかりません。結局、BMWのサポートセンターに電話すると、すぐに専門の人につないでくれました。

これがもちろんドイツ語で、あたかも初めてコンピュータとマウスを使う人に電話で使い方を説明するごとく、なかなか話が通じ合いませんでしたが、最後にやっとこさ警告表示を消すことができました。やれやれ。

BMW7erに乗るような年配の方ってマウスとかも普段使うこともあんまりないかも知れないのに、「iドライブ」使えるんですかね…。

クルマ事情・その8

3月末、2週間パリ出張に行ってきました。
目的地はパリ郊外60キロぐらいのところなので、ド・ゴール空港でレンタカーを借ります。もちろんカーナビ付。

さて、いざカーナビを使ってみると、なんと表示も音声もフランス語。
ヘルプもフランス語なのでお手上げ。英語にスイッチできないか試してみましたがだめ。レンタカー会社に問い合わせるとフランス語版しかインストールされていないとのこと。
国際空港のレンタカーなのにそれはないだろ…。

幸い、フランス語が多少できる同僚と一緒だったので彼にすべてまかせました。さて、やっとこさ空港の駐車場を出発し、カーナビの指示に従って運転してみるとこれがとんでもない。曲がるべきところを過ぎてから、「右に曲がって下さい」とかのんきなことをフランス語でのたまわっているんですね。

田舎道ならともかく、パリ市内の凱旋門の近くにあるホテルにこのカーナビを唯一の頼りにして向かったときは本当に悪夢でした。よく事故らんかったことだ。

ナビゲーターを務めた私も運転者に「今右折か、次か」と聞かれてもとっさに判断できない始末。結構あちこちのロータリーをぐるぐる回りました。

どうもPDAなどで使えるカーナビのほうが、ずっと見やすく正確らしいです。

クルマ事情・その9

そういや、先日出張の帰り、アウトバーン5号線でフランクフルト空港からワルドルフに向かうシャトルバスに乗っていたときのこと。

追い越し車線で、時速160キロぐらいで前を行く黒のメルセデスのバンの背後にピタリと真紅のフェラーリがつけ、ものすごい低いエンジン音を立てて「どけっ」とばかりプレッシャーをかけていたのですが、なんとそのフェラーリの真後ろに濃紺のゴルフがつけていたのには爆笑でした。

F1で言うなら、ミナルディ(今は名前違うんだよな)がフェラーリにプレッシャーをかけるの図ってとこでしょうか。

さらにその後にはBMWの3erのバンが続き、2車線のアウトバーンで高速バトルを繰り広げていました。

クルマ事情・その10

ところで、日本では今も「暴走族」っているんでしょうか?
どっかで読んだ限りでは、昔みたいに制限速度を無視して突っ走るんではなく、一般道を左右に蛇行しながら低速運転する「迷惑族」みたいになってきたとかかいてあった気がするんですが。

ドイツでは気候がよくなるこの時期、週末にはバイクのツーリングをよく見かけます。すごいのはハーレーダビッドソンので、50-60台が集団で走るとさすが圧巻。

でも彼らマナーは本当にいいです。
一般道でもこうしたツーリングをよく見かけますが、リーダーらしき人が交差点で全員曲がりきるまで、グループを見守ったりして、ちゃんと安全を確保してますね。

だから、私はドイツで「暴走族」ってみたことないです。
もっともアウトバーンは基本的に速度無制限だから、加速ではバイクの方が優っても、時速250キロ以上で走り続けようと思ったら、やはりポルシェやフェラーリ、あるいはランボルギーニとかに軍配があがりますね。しかもメルセデスやBMWのチューン車なんてのもあるし。私の知り合いはゴルフのチューン車を持っていますが、速度計は300キロまであります。

私自身が経験した最高速度は、南ドイツにある有名な「ノイシュヴァンシュタイン城」に向かうアウトバーン7号線での時速230キロ。6速でアクセルを踏み続けてやっと到達しました。200キロはまでは結構すぐ加速するのですが、そこからがじわじわとしかあがらん…。

でもさすがにそのスピードを維持するのにはよほどの注意力と集中力が要ります。いくらアウトバーンがすいていてもこの速度をで走り続けるのは無理というもの。

数年前のようにアウトバーンを高速で飛ばすことが面白かった頃と違い、今は飛ばしても時速160キロぐらいで安全運転を心がけています。

クルマ事情・その11

ヨーロッパはいろんな国の人があちこちの国をクルマで横切って旅行する習慣が昔からあるせいか、文字による交通標識がすくないです。

日本なら「スピード落とせ!危険、事故多し」とこれでもか、というぐらい親切に警告してくれますが、こっちではカーブを示す「>>>」みたいな標識だけで、文字情報なし。自分の身は自分で守れってことでしょうね。

例えば、アウトバーン5号線からワルドルフへの出口はほぼ直角90度で曲がるのですが、速度を80キロぐらいまで落とさないと危険です。一度、時速150キロぐらいで飛び込んだことがあり、曲がりきれず、さすがにガードレールにぶつかるかと思いました…。あぁ~やばかった。

もっとも、360度ぐるりと回るような出口では80キロや60キロなどの速度制限の表示が出ているところが多いです。

クルマ事情・その12

日本の高速では夜になると必ず黄色い照明が鈴なりに点灯していたと思うのですが、アウトバーンでは都市部を除き、そんな親切なもんありません。交通量の少ない深夜とかになると、ポツンと光る自分の車のヘッドライトのみが頼りで、前後にクルマがいないとあたりはほんとに「闇」。一人で運転してると心細くなります。

そういや、家から8キロぐらい離れたシュベッツィンゲンという町に行くのに、森の中5キロほどまっすぐ直線の道路を走るのですが、この森はあのF1ドイツグランプリが開催されるホッケンハイム、私の住むワルドルフ、そしてシュベッツィンゲンにまたがって広がっています。

夏の深夜にここを走ると、直線の道路にはクルマ1台みえず、上には木々が不気味に覆いかぶさる闇状態なので「こういうときにXファイルのようにぼわっと光る怪しい物体が現れたりすんねんなぁ」、とよく「タタタ、ターン、ターン、ターン」とXファイル冒頭のテーマ音楽(?)を口ずさみながら冗談言っていたもんでした。

昼間ここを走ると緑に囲まれて、最高なんだけどね。

2006年5月
投稿者:たっちさん


たっち君、ご投稿ありがとう!

これを読んでいるとドイツで運転をしたくなります。さすが、世界一道路インフラの進んだ国です。ワタシも願わくばスピリットRを持って移住したいものですな(爆)。

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Last updated : 2007.08.07