オペル アストラ
アストラの乗り味を雑誌のインプレ記事風に書いてみます。
まずはスタイリングです。
アストラのスタイリングはまずまずですかね…。正直あまり派手さは感じらず、一見して「XXのクルマ」とわかるタイプではありません。しかし剛性の高さとか、誠実な造りはスタイルからも伺えます。
特に顔が今ひとつ特徴が薄いですね…。売れていないホンダ車にも見えるし、韓国車にも見えます(苦笑)。よく見るとキビキビしたエッジの入れ方など、細かい部分でカッコイイ、と思うところはあります。
リヤも印象は同じようなもので、あまりインパクトのあるキャラではありません。
よく見るとディテールはよくできているのですが、全体としての印象は薄めです。
1420mmとこの手のクルマにしては車高が低めで、密かにクーペ風だったりもします。この車高ながら室内は十分な広さを持っているので、パッケージングは優秀と言えます。また車高が低いおかげで空力もCd値0.31とすばらしい数値を達成しています。
というわけで、スタイリングは「メチャカッコイイ!」と思うほどではないのですが、永く見ていると徐々に愛着は沸いてきます。
では、ドライバーズシートに乗り込みます。
内装はベロアの黒! とても暑苦しいです。柄も今ひとつで、センスが完璧にドイツの田舎ですネ…。内張りのパーツも一昔前、世代で言うとゴルフ3の質感です。
しかし運転のしやすさ、という意味でのシートの出来、スイッチ類の配置などは実によくできています。またパッケージングも秀逸で、後席も快適です。華やかさはないが実質的なものはしっかり備わっている、いかにもオペルらしい内装に仕上がっています。
まず、操作系がしっかりしています。ボディしっかり、ステアリングフィールもしっかり、足回りもしっかり…という感じです。前に乗っていたのがよく言えば柔らか、悪く言うとフニャフニャだったマーチだったから、余計にそう感じるのかもしれません。非力な女性、お年寄りはマーチの方が楽でしょうが、ワタシの好みはやはり、アストラになります。
エンジンは1800ccのエコテック。まあエコテックかヤバテックかはどうでもよいのですが、1800ccとして自然に振る舞う良いエンジンです。速過ぎず遅過ぎず、ファミリーカーとしてはこれくらいが一番扱いやすいです。低速トルクも十分あり、ATとのマッチングも申し分ありません。
そのATですが、これはアストラで一番感心した部分です。
マニュアルが主流の欧州車で、ATは結構アテにならないのですが、アストラのATは実によくできています。シフトショックはほとんど気になりません。また、活発に走りたいときには「S」モードにすれば、いちいちマニュアル的シフト操作をしなくても、ほぼワタシの意図どおりに変速します。この「S」モードは本当によくできています。下手なティプトロニックより断然使いやすい! 聞けばATはアイシン製とのこと。さすが日本製のAT、よくできているわけです。
アストラには燃費対策として、Dレンジで停止すると自動でニュートラルになる機能がついています。しかしこの機能は慣れを要します。信号待ちで普通にスタートしようとするとワンテンポ遅れるので、対策として青になる直前でブレーキをゆるめて、ギアを入れてあげると、青と同時にスタートできます。
本音としてはこの自動ニュートラル機能は不要です。
ハンドリングも問題なし。1210kgとこのクラスにしては軽いので、キビキビ走ります。ただタイヤサイズが幅195の15インチのためか、少し高速域では頼りなさも感じます。まあこのタイヤサイズのおかげで街中の乗り心地は快適なので、痛し痒しですが。
ブレーキもグッドフィーリング。制動性、コントロール性とも申し分ありません。また、ブレーキダストの量も輸入車の割には少ない方。これなら許容範囲内と言えるでしょう。
トランクルームはかなり広いです。
カタログによれば約370Lとのこと。VWゴルフ4が330L、ゴルフ5でも350Lであることを考えると、アストラのトランクの優秀さがよくわかります。
使いやすさも申し分ありません。アウディA3のような、荷物を入れるのをためらうような神々しい雰囲気もありませんし(笑)。
1800ccのエコテック、その燃費は平均で8.0km/Lを少し超えるくらいです。
これは一般的に見たら寂しい数字かもしれません。しかし、ワタシとしてはなかなかの高評価を与えられます。というのも、我が家の運転状況は燃費には劣悪で
という状況です。1. 2.の条件でBMW 318tiは8.2km/L、A3は7.3km/L、マーチは11km/Lくらいでした。アストラにはさらに3.の条件が加わったので、リッター8kmを超えているのは立派な数字と個人的には思っています。
このクルマにはとても満足しています。特に優れているのはなんといってもAT! こんなによくできたATは初めてです。
それ以外で、このクルマで突出した部分はないのですが、むしろ感心すべきはすべての要素で満遍なく高評価が与えられることです。1800ccのエコテックエンジンはパワー、レスポンス、燃費のバランスが実によく使いやすくできています。内装や操作系はとても使いやすく、ドライバーがストレスを感じません。後席やトランクスペースも十分。実用車として本当によくできています。
また、クルマがマイナーなので、日本車における「カローラ → マーク2 → クラウン」や輸入車でのベンツだビーエムだ、という「階層」を意識しなくて済みます。変に見栄を張ることもなく、気軽に乗れるクルマです。
不満は二点あります。
ひとつは高速域での安定性。アウトバーン速度(爆)における安定性では、以前乗っていたゴルフGTIやBMW、アウディに劣ります。もちろん国産1800ccクラスと比べればレベルは高いのですが、ドイツ車への期待値を考えるとやや物足りないです。
もう一つは、これはワタシの個体特有のものですが、2000年式で経年劣化してきているので、常に寿命を意識しながら乗らなくてはいけない、ということです。メンテナンスに気をつけて、なんとか故障せず永く乗りたいものです。
まあ不満もありますが、中古で格安でゲットしたのだから十分といえます(笑)。
アストラはとにかく華やかさを捨てて「質実剛健」を地で行くクルマです。セカンドカーにはこれほど頼もしい相棒はありません。
これだけよくできたクルマが30万、40万で買えるのですから、日本の中古車市場というのは大変ありがたい存在です。もちろん、リセールはあきらめなくてはいけないので、永く乗ってできるだけ償却する必要があります。
というわけで、できるだけ永く乗れるよう、メンテナンスしていきたいと思います。
Last updated : 2007.08.07