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かねてから論議の的になっていた国産車の280馬力規制が、2004年6月末で撤廃になりました。
国産車、280馬力の自主規制を撤廃 日本自動車工業会
日本自動車工業会は21日、国産車の最高出力を280馬力までとしてきた自主規制を2004年6月末で撤廃したと発表した。交通事故対策のため始めた自主規制だが、車の安全性能の向上で、業界内では「現実的でない」という声が上がっていた。
この規制は国が1989年に「交通事故非常事態宣言」を出したのを受け、自動車各社が申し合わせた。しかし、90年代以降、車をめぐる安全技術が向上。「最高馬力と事故の因果関係は実証できない」(小枝至会長)として、撤廃に踏み切った。ただ、最高速度を180km/h制限とすることや、軽自動車の最高出力を64馬力に制限するなどの自主規制は残すという。
(asahi.comより)
クルマ雑誌の「ベストカー」「ホリデーオート」あたりが大好きなネタです。今さらという気もしますが、ようやく変な規制が撤廃になったということでしょうか。
1980年代後半から日本車はパワーウォーズに入り、フェアレディZにはじまりGT-R、GTO、NSXと次々と280馬力カーが登場しました。パワー競争はその後も続き、90年代後半のインプレッサvsランエボのバトルのころになると、パワーの280馬力はもはや上限なので、後はカタログ上の最大トルクの争いになってきました。
この「最大トルク戦争」は、実に滑稽なハナシでした。馬力は
「パワー(ps)=トルク(kgm)Xエンジン回転数(rpm)÷716」
という式で求められるのですが、280馬力を超えないためには、トルクをエンジン回転数に応じて抑えなくてはなりません。
この式を元に、280馬力を出すために必要なトルクを計算しますと…
こうなります。
90年代後半「最大トルク戦争」はオーバー40kgmの争いになっていましたが、カタログ上の最大トルクの数値を飾りつつ、お国の規制通りに280馬力を順守するには、最大トルクはせいぜい4500回転までに発生させ、5000回転以降はトルクを大幅に落とさないといけません。
もし280馬力規制のまま、さらに最大トルク競争が進んだら、極端な話、最大トルク100kgm/2000rpmというのもアリになります。もちろんその後は回せば回すほど、悲しいほどトルクが落ち込むエンジンになるわけですが。
ワタシはこんなエンジンはイヤです。
カタログスペックのある一点だけにこだわると、全域で280馬力のパワーがあったとしても、回せば回すほどトルクが落ち込む、奇怪な特性のエンジンになるわけです。最近は落ち着いてきたようですが、一時期「最大トルク戦争」に向かっていたときは、あれはなんと愚かな行為だろう!とワタシは思っていました。
ベストカーなどの特集記事によれば、現実にはドライバビリティの問題もあるので、最大トルク40kgm超級のクルマでも、高回転で極端にトルクを落とすことはしていないようです。その結果、インプレッサやR34 GT-Rあたりはノーマルでも300馬力を軽く超えているとのウワサです。(余談ながらワタシのRX-7(FD)もフルノーマル、リミッターつきながらシャシダイ計測でカタログを上回る294.6psを6840rpmで記録しました。ちなみに最大トルクは33.1kg-m/5970rpm。まあこれは自慢でした(爆)。スミマセン…。)
このたび規制が解除されて、メーカーも堂々と280馬力を超えられるようになったわけです。いわばコソコソやっていた「禁酒法時代」が終わったということでしょう。まあメーカーやユーザーとすれば、悪い話ではないでしょう。
ただし、これからはパワー制限がなくなった一方で、環境に配慮した新しい規制が必要ではないかと考えています。例えば300馬力クラスのクルマは排出ガス「優」以上を必須にするとか、10モード燃費の最低基準を設けるとか、あとはメーカーが300馬力クラスカーを売ったら、その10倍の台数U-LEV車を販売しないといけないとか、なんらかの「別な」「合理的な」ブレーキも必要ではないかと思います。または最大出力に応じて自動車税を上げる、という手もアリかもしれません。
規制がなくなったのは歓迎すべきところですが、再び愚かなパワー競争だけに走らないでほしい、という気持ちもあります。
(管理人のひとりごと 2004年7月23日より抜粋)
Last updated : 2005.01.01